イベント情報(2018年1月30日更新)
第一回 臨床美術士会 座談会 テーマ「FCAT」
1 津田:今日はFCAT設立時からのメンバーにお集まりいただき、それぞれの活動の中でこの会に入ってよかったと感じることや、今後の抱負などについて語っていただきたいと思います。よろしくお願いします。 津田:では、早速ですが、菅原さんと稲嶺さんはFCATの立ち上げメンバーで、倉吉さんは途中からの入会ですが、入会したきっかけは何ですか? 菅原・稲嶺:資格を取ってすぐに何かしたかったのですが、一人では何をしたらいいかわからなかった時に、協会を通じてFCAT立ち上げメンバーの一人から連絡があり実際にお会いして、同じ気持ちを持ったメンバーが集まったので、会を立ち上げることになりました。 倉吉:私は臨床美術士の資格取得を迷っていて、FCATにメールで問い合わせをしていた時に、近々作品展があるので見に来ませんかと言われて、作品展を見に行ったのがきっかけです。カラフルで素晴らしい作品展だと思ったのと、会場で作品の説明をしてくれたFCATの方の話を聞いて、皆さんが真剣な気持ちで熱心に活動されているというのが伝わってきて、臨床美術士5級を取得後にFCATに連絡して入会しました。 |
2津田:では、活動をしていく中でFCATに入会してよかったなと思うことはありますか? 倉吉:私は、メンバーの現場にサブスタッフとして入ると、メインの導入やアプローチの仕方など、自分の教室で同じプログラムをするときの参考になります。 稲嶺:そうですね。鑑賞会の時の声かけも、そういう声かけをするといいんだなぁと思って、参考になります。 津田:私は稲嶺さんの周りの人を包み込むような雰囲気のセッションの進め方が大好きですよ。自分にはないところがあるので。 津田:菅原さんはいろんなところでワークショップをしたり、定期的な教室以外にも積極的に活動されていますね。 菅原:私は土日しか動けないので、ほかの教室のサブにはあまり入れないのですが、臨床美術をもっと広めたいと思っていて、そのためには一般の方に向けたワークショップが有効だと思っています。個人でワークショップをしていると興味のある方も何人かいらっしゃるので、そこで会のことも知ってもらえる機会になりますし。私にとっては、この会は家みたいな存在です。家があるから、帰る場所があるから、外でも頑張れます。 稲嶺:ただいま、って言いたくなりますよね。 菅原:そうなんです。外で頑張ったら、また家に戻ろうかな、みたいな。 津田:なるほど。メンバーはそれぞれ違った地域で活動していますし、ワークショップなどで臨床美術を体験された方から、どこか教室はありませんかと聞かれた時に、メンバー同士で教室を紹介し合えるのもいいですよね。 倉吉:そうですね。いろんな現場でそれぞれのメインの仕方を見るのがとても楽しく勉強になりました。現場では、サブの重要性も学ぶことができました。 津田:FCATでは月に一度、勉強会も行っていますが、そういえば前回の勉強会でお二人が絶妙なタイミングでセッションしていましたよね。菅原さんと倉吉さんは今までにも一緒にセッションしたことがあるのですか? 菅原・倉吉:はい。声かけとかは打ち合わせをしていました。 倉吉:その他にも以前、菅原さんが担当した研修会にサブで参加したりして。 菅原:逆に私が倉吉さんの子ども教室のサブに入ったこともあります。 倉吉:そう考えると、この会にいて一番いいなと思うのは、いろんな現場に入れるということです。会のメンバーは各自、高齢者や大人、子どもなど様々な年代の方を対象に教室をしているので、自分が行こうと思えば各現場に入ることができます。そういう環境があるのはとても恵まれていると思います。 稲嶺:FCATの勉強会でメインの練習ができるのもいいですね。 菅原:そうですね。参加者が臨床美術士というのは、また違った緊張感がありますよね。 稲嶺:そうなんです。セッションの進め方や道具の準備など、こうしたほうがいいよ、とか改善点のアドバイスをもらえるのはありがたいですね。 菅原:そういえば、勉強会は何年ぐらい続けていますか? 津田:6年くらいはやっていますね。 菅原:6年ですか、結構長いですね。こうやって改めて話すと、お互い刺激を受けて、それぞれの持ち味が出されている会になってきたなと思いますね。 津田:そうですね。現在はそれぞれの自分らしさを生かしてより深めていく会になっていると思います。 3津田:では、最後になりますが、今後この会がどんなふうになってほしいと思いますか?また、その中で自分がどのように関わっていきたいですか? 倉吉:私は、束縛されずに自分のやりたいことができる、そんな居心地がいい今の会の良さを残しつつ、もっと臨床美術の知名度を上げていきたいと思います。 稲嶺:私ももっと広めたいと思います。ワークショップで臨床美術が広がっているのはいいことだと思います。 菅原:私はFCATの当初からの目標の「質の高い臨床美術を提供する」というのは、この先も大切にしたいと思います。毎月の勉強会も他の団体よりも先駆けてやっていると思いますし、今後、会の規模がどんなに大きくなったとしても、個人個人の意識としては「質の高い臨床美術を提供する」というのは、しっかり持っていたいなという展望があります。 津田:それぞれ素晴らしい目標をお持ちで素敵ですね。おっしゃるとおり一人で臨床美術をやっていくというよりも、臨床美術自体が人と人が関わっていくものなので、臨床美術士同士の関わりがある中で、よりその力が深められると思います。これからも質の高い臨床美術をしていきたいですね。 倉吉:そうですね。参加者の気持ちに寄り添えるようなセッションをしたいです。 津田:「自分にとって臨床美術とは?」などの質問の回答で、皆さんが共通して言っているのは「臨床美術には力がある」ということです。参加する人が元気になる。そしてそこに関わっている自分も元気になる、と。 菅原:はい。だから続けていけると思います。 倉吉:それから、自分も楽しくないと続かないですよね。臨床美術に関わらずアートには力があると思っています。敷居が高いと思われているアートを、どなたでも楽しんでもらえるように敷居を低くしたところが、臨床美術の素晴らしいところだと。 津田:そのとおりだと思います。皆さんは経験豊かな臨床美術士なので、それだけたくさんの人との出会いがあり、たくさんの引出しがあるかと思います。今後もそれぞれの教室で魅力的なセッションをしていって、幸せの輪がどんどん広がっていきますように。今日はありがとうございました。 |
第一回 FCAT座談会参加者のプロフィール
インタビュアー/津田 雅子(つだ まさこ〉 |
菅原良子 |
稲嶺直枝 |
倉吉明美 |